2020/08/17

前期(遠隔)授業の総括

 土日を含め6日間の休暇に入ったものの、最初の2日だけは何もしないでだらけた後は採点などの仕事をこなすことになりそうです。授業をまだ引きずっている状況ではありますが、急な変更に翻弄された前期の授業も終了しました。そんなわけで、遠隔授業の総括をしておきたいと思います。

 

 

 

何度か記していたように、勤務校では使用配布型、オンデマンド型、リアルタイム型のいずれのスタイルでやってもいいし、使用するシステム(zoomやらWebExやら)も自分で選んでもよいという決定が下されました。それに伴う私の判断は以下の通り:

 

語学→資料配布

講義科目→オンデマンド

演習→リアルタイム

 

今となっては「何を血迷っていたんだ…」としか思えませんが、授業開始前にはこれが最善のように思えたのです。が、結果的に授業準備に追いまくられる結果になりました。提示されたものをすべて実施してみて感じたストレスは、資料配付>オンデマンド>リアルタイムという順でした。リアルタイムにしたのは履修者が10名程度の小さなサイズのクラスだったからなのだろうけれども、トラブルもなく、対面に近い形で授業を進めていくことができました。

 

予想に反して大変だったのは資料配布型(正確には資料配布型のリーディングとオンラインシステムを使った多読)にした語学。他の言語と違って発音の初歩の初歩からやる必要はないこと、課題の期限だけを定めた資料配布型の方が負荷も時間の拘束も少ないのではないかと思われたこと、40名規模のクラスではリアルタイム配信で通信トラブルなどが起きた際に対応できる自信が持てなかったことからこの形式を採用したわけですが、この判断は失敗だったと感じています。文字情報だけだからなのか、他の形式に比べると指示が伝わらないことがあるため(シラバスやLMS上の指示に目を通さないまま、あるいは、自分の都合のいいように解釈したまま、教員やクラスメートによる修正を経る機会がない)、入学したての1年生には不向きだったかもしれません。

 

ちなみにオンデマンド型ですが、「動画でかまないようにするには細かい原稿がいるだろう」と考えて講義スライドの原稿を用意することに時間がかかる、スライドに音声を入れて動画ファイルに変換するという程度でもそもそも動画作りに慣れていないということで、予想以上に時間を取られてしまいましたが、慣れや気持ちの割り切りができさえすれば、オンデマンド型もストレスは少なくなるだろうと思います。速度の調節や見直しができるということで、オンデマンド型については学生も好意的でした。

 

 

遠隔授業をしてみての教訓は以下の通り。

 

 

・自分が続けられる(続けることになってもつらさが少ない)形を選ぶのがとにかく大事

[何をおいても自分が正気を保っていられないとにっちもさっちもいかなくなるし、結局自分でどうにかするしかない(3点目)ので、とにかく続けられること(つらすぎないこと)を最優先にした方がいい。授業が止まってしまったら、教育効果を云々しても意味はない。]

 

・指示や課題の設定はとにかく細かくする

[LMSのコメント機能の類は初期設定のままで通してしまったのだけれど、それが学生には負担になっていたかもしれない。ちょっとした課題やコメントを求める場合にはその課題に応じてLMSなどを細かく設定しておいた方がいい。それと(特に低学年への)指示については、シラバスや初回オリエンテーションでの資料で終わらせるのではなく、通常よりも細かく・細切れに行っておかないと、学期末にカオスになる。]

 

・結局は自分たちでどうにかするしかない(情報共有ができる仲間を大切に)

 

 

後期の授業が対面か遠隔かはまだ読めない状況(現時点では対面に戻る予定)なのですが、新たな緊急事態で遠隔授業を再び実施することになった場合に心がけたいところです。

2020/05/12

資料配付型授業

 母の日に「連休でも出かけられなかったし、お勉強が進んだでしょう?」と聞かれて全力で否定にかかったへっぽこ講師です。遠隔授業に時間も魂も吸い取られて、本当にもう研究どころじゃなくなってるのよ、お母さん。

 

連休明けから授業が開始してからはリアルタイム型で乗り切ろうとするボスからの質問に答えつつ、遠隔授業の実施と仕込みに追われております。週が明けた昨日と今日は、課題配布型で実施する語学の授業がありました。

 

語学の授業はテキストと多読の2本立てになっていて、課題配布型になるのはテキストの部分。テキスト(フリーのニュース教材を使用)をダウンロードして読んだうえ、WebClassのテストでエクササイズを実施するという流れにしました。ボキャブラリーや内容理解のエクササイズはテスト形式でその場で答え合わせができるように設定し、ライティングは教員がチェックしてフィードバックをします(予定)。ちなみに多読は、たまたま採用を決めていたXreadingというオンラインの多読システムを利用します。

 

前倒しで課題をやり出した人から五月雨式に問い合わせがきていた昨日のクラスとは違い、今日のクラスは時間割通りにWebClassにやってきて課題に取り組むというのが大半だったため、100分の授業時間の間、飛んでくる問い合わせのメッセージに対応し続けて終わりました。問い合わせのほとんどが多読のシステムへのログインについてで、遠隔授業とは関係なく、対面でも同じくらいの対応が必要だっただろうと思います。というわけで、課題配布型もつつがなく実施できたかなという印象です。あとは、教員・学生ともども、どこまで息切れせずにつづけられるかというところ。

 

しかし、気になるのは緊急事態宣言の解除が出た場合の対応です。これを受けて速攻で対面に戻すなんてことにならなければいいのだけれど…。

 

2020/04/30

Keynoteで講義動画を撮影

 講義科目は動画を視聴してもらうオンライン型での実施にする予定のため、ここ3日ばかし動画作成で悪戦苦闘をしていました。動画といっても、音声を入れたスライドショーなんですけど。

 

初めは、平時の講義でも使用しているPowerPointで挑戦(Mac版でもOffice 365のものならできることが判明したため)。「スライドショー」の「スライドショーを記録」を選んでプレゼンを行い、「ファイル」の「エクスポート」でMOV等々の形式で保存をすればよいのです。手順としては、特別に難しいものではありません。

[https://twitter.com/heppokoteacher/status/1255063881090654214:embed#パワポの機能を使って講義動画が作れた…。ビデオの形式でエクスポートもできてよかった…。動画が作れたことに意義があるよ…。]

こうつぶやいたように、実際にエクスポートまではできたのです。が、チェックをしてみたところ、レコードの針飛びのような感じにところどころ飛んでいるところがあるのです。((友人の情報によると、Macのスペックによってこのような問題が起こることがあるらしい。))

 

PowerPointで再挑戦することも考えたのだけれど、同じ事態になった時の徒労感と天秤にかけて、本日Keynoteで作成に挑みました。撮り直しのついでに、パワポ版では1本にしていたものを前後編に2分割しました(セクションごとに別の動画にした方が見る側の疲労や負担も少なくなる気がしたため)。ちなみに、私のMacのOSはMojave (10.14.6)です。

 

Keynoteのスライドショーを動画化する手順は、「再生」の「スライドショーを記録」を選ぶとリハーサル画面(?)になるので、左下に出てくる録画ボタンを押してプレゼンを実施し、終わったら録画ボタンを押し、「ファイル」の「書き出す」を選んで「ムービー」として保存するというもの。ちなみに、ファイルはMPEG4の形式で保存されました。Keynoteの方がファイルの書き出しもスムーズでした。

 

どうにかこうにか作成した動画と資料のアップろ学生への連絡の予約投稿までやって、今日の業務は終了(へろへろになってしまって、それ以上のことはできそうにない状態だった)。「噛むの上等」と腹は括ってやっても動画制作(喋り)はなかなか難しいし、労働量もかなりのもの。動画制作を生業とするYouTuberっていうのはすごい人たちですよ。

 

 

2020/04/20

Quick Time Playerを使う

 委員会の会議の後、遠隔授業の準備。

 

授業開始後もしばらくは遠隔授業が基本ということになったので、初回に行うシラバス説明の動画をQuickTime Playerの画面収録で作成しました。やり方は…

 

1)QuickTime Playerの「ファイル」のメニューから「新規画面収録」を選ぶ

2)録画ボタンを押す

3)撮影したいファイル等々を出して画面をクリックする(これで撮影が開始)

4)ひたすら喋る

5)escボタンを押すと収録のメニューのようなものが出てくるので、停止ボタン(録画ボタンだった部分)を押す

追記 escボタンを押して云々というのができないこともありました。画面上部のメニューバーに録画ボタン(●)が現れているので、そこをクリックすれば表示メニューが出てきます。

 

という感じ。内臓マイクでも大丈夫そうな気もしたけれど、旧型のiPhoneのイヤホンのマイクを使いました(マイクを使う場合は2で「外部マイク」を選ぶ必要あり)。((イヤホンを使ったのは、「イヤホンは外部マイクとして使える」とどこかで見たから。)) 一発撮りで編集しないということにすれば、思っていたよりも難しくなくできました。作成した動画はmov形式で保存されるので、あとはYouTubeなどのサイトにあげ、URLをLMSなどで通知すれば良いのだと思います。

 

f:id:heppoko-t:20200420211515j:image

母ちゃん、これからも僕がこうやってのんびりしていられるよう、しっかり仕事してね。

2020/02/08

 就職時に受けたアドバイス

 大学教員2年目も自転車操業の日々でしたが、本年度の授業については試験やレポートの採点を残すのみ…というところまできました(ゼロから講義を組み立てるということをしなくてもよくなるので、4月からは自転車操業の度合いが少なくなると思いたい)。年度末になると行われるのが、定年を迎える先生方の最終講義。私の所属先でも、直属のボスの最終講義がありました。

 

内容は、大学教員としての日々と研究者としての日々とを振りかえるというもの。その中でも印象に残ったのは、就職が決まった際に指導教官の先生からいただいたアドバイスについてのエピソードでした。そのアドバイスとは、

 

  1. 年に3本は論文を書く
  2. 少なくとも3年は移動をしない
  3. 仕事は断らない

 

の3つ。これらのアドバイスは30年以上前のもので、時代の変化に伴って、1と2は従うのが難しくなっていると言わざるをえません。1についてはボス自身が「独法化の前の時代には、夏・冬・春の長期休みを使えば可能だったんですよ…」と言っていて、授業期間外にあんなことやこんなことがどんどん入ってくる現在の状況では、超人的な気力体力がないと難しいでしょう(とはいえ、その心意気は忘れずに研究をしたいところ)。任期付きの案件が増えており、採用条件によっては2はかけられないものになっています。そんななか、3はアドバイスとしてまだ有効なのかもしれません。何を隠そう(隠さんでもいいことだけど)、専任ポストを得て東京を離れる際、3のアドバイスを師匠からかけられました(うちの師匠の場合、「仕事」というのは学会などの研究がらみのものを指していたような気もするけれど…)。私が専任になれたのは10年ほど前で、その頃と比べて高等教育機関をめぐる状況も学会をめぐる状況も変わってきているけれども、どんな状況でも仕事から逃げる人はいるはずなので、案外とアドバイス3は有効であり続けるかもしれません。

 

いい年になっているので自分の健康状態等々と天秤にかけながら仕事を選ぶことも覚えるべきではないかと思わないでもないけれど、変に引っかかるものがないかぎり、((直観的に引っかかりがある場合には断った方がいいということを身をもって学んではいる。))声をかけてもらえた時には引き受けていきたいものだと思います。安請け合い、万歳!

神田ステーションホテル